面接で、面接者からお金の話をするのはあまり良い印象を持たれないといわれていますが、担当者から聞かれた場合、素直にあなたの希望額を伝えればいいのでしょうか。その質問から、担当者は何を知りたいのでしょうか。ここでは、答え方のノウハウと、企業側の質問の意図をご説明します。
「希望年収=あなたの実力」を計る目安
ズバリ、この質問の意図はその金額からあなたの仕事の実力を推測するためです。
前職の年収も聞いてくることもありますが、それも意図は同じこと。同業種の転職なら、なおさら、あなたが前職でどのような評価をされてきたのかがわかります。それをもとに担当者は給与額設定を検討するだけでなく、あなたの仕事の実力を見極めようとしているのです。
伝えるのは、総支給額
一般的に言われている「年収」は、社会保険料や源泉所得税、その他の控除(住民税など)が引かれる前の「総支給額」のことを指します。そのため、担当者に聞かれた場合は総支給額を答えましょう。
ちなみに「手取り額」は、控除される税金の税率が地域によって異なり、通勤交通費も含まれるので、転職先の自社の給与規定と比較しづらい点があります。
正確な年収を把握しておく
突然このような質問をされて、単純に「給与の12か月で…、〇〇万円です」と気軽に答えてしまったものの、よく調べるとそこには残業代や、毎月天引きされている保険料などの概要がまったく入っていないことがほとんど。結局、実際より少なく伝えていた…ということがあります。
このような質問がくることも想定し、前職の源泉徴収票などで正確な年収を確認し、希望年収と自分の実力を把握しておきましょう。
また、賞与と毎月の固定額、残業代等の内訳もきちんと確認する必要があります。自身の年収に関わる非常に重要な事ですので、事前にしっかりと計算し、把握をしておく必要があります。担当者に伝えた後で計算したら、実はもっと多かった…とあわてて担当者に再度連絡することのないようにしましょう。
社宅や住宅費補助も伝える
さらに、会社が借り上げた賃貸住宅に住んでいた場合は、注意が必要です。賃料を住居者が一部負担しているものの、大半は会社の負担です。会社の負担分は実質的に住宅費補助に相当します。
次の就職先が住宅手当のない場合、同年収でも、前職の住宅費用補助分を自身が負担することになるので、実質は減収となってしまいます。そのためこの点は明確に担当者に伝えておくべき事項です。
給与アップを狙うなら、きちんと「根拠」を伝える
転職するからには、少しでもよい条件で働きたいもの。そのため、つい希望年収を前職よりもかなり多く見積もって伝えてしまう方もいます。
しかし、担当者が予想するあなたの実力との大きな差が出てくる可能性があります。そうすると「自身の実力を把握できていない人だ」と自信過剰で謙虚さがないというマイナスイメージを与えることにもなりかねません。
そのため、前職より高い年収や給与を希望する場合は、きちんと「根拠」を伝えましょう。
といったように、明確にすることがポイントです。
「いくらでも大丈夫です」という返答はNG
この企業でどうしても働きたい!内定をどうしても取りたいため、少しでも印象を良くしようと「いくらでも問題ありません」とつい言ってしまいそうになりますが、その答え方はよくありません。
担当者は希望給与額から、あなた自身の実力を計ろうとしています。その答えは「何にも考えていないのか」と、逆にやる気がないように見えます。
また、「将来、何もビジョンがないのだろうか」と不安を与えてしまうことも。必要以上に年収に執着する必要もありませんが、適度な年収のこだわりは、仕事の意欲と切っても切れないものです。
現状の年収に満足しているということは、納得して仕事をこなせているということなのです。それならば前職と同じ金額を提示して、プラス、会社に入りたい熱意をアピールしましょう。
「最低どれぐらいの年収が必要ですか」と聞かれたら
担当者の中には、このような質問をしてくることもあります。そのとき、つい本当の最低額を伝えてしまう人もいますが、よく考えてみると、実はその額では実際に生活するのもままならない、ということがわかり青ざめてしまう人も。その場合は現状維持を伝えるようにしましょう。
自分の年収を把握するということは、自身の仕事の力量を知るということにもつながります。だからこそ、担当者に聞かれたときにしっかりと伝えることができれば「自分の立場をよく理解した上で面接に来ているな」と、好印象を与えることになります。そのため、しっかりと自身の年収を把握しておきましょう。
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