余裕を持って履歴書を仕上げれば、郵送は本来、普通郵便で十分なはずですが、間に合っても速達にして出す方もいるようです。どういうことでしょうか。速達にする意味とマナー、注意点などを考えてみましょう。
速達で郵送するときの封筒の表面・裏面例
まずどのような内容がどのように書かれているべきかという点について記述例をご覧ください。これに基づいて表面、裏面の書き方を解説します。
封筒の表面・裏面の書き方
図をもとに、封筒の表面・裏面の書き方のルールを説明します。
「速達」であることを赤文字・赤枠で目立たせる
まず郵便物に速達であることを示す必要があります。
縦長で送る封筒なら表面の右上部分に「赤い線」を書くということが郵便局のホームページで記載されている速達の公式の利用方法となっています。
ただ、郵便局の方に確認したところ「赤い線だけを書いた場合、封筒の色やデザインによっては見落としてしまう可能性があるので、「速達」と赤文字・赤枠を使って書くほうがより確実である」という回答をいただきました。
わかりやすさが重要なので、細いボールペンではなくサインペンなどでわかりやすくはっきりと書くほうが良いでしょう。
封筒の色は白色が定番
封筒の色は白色を選びましょう。正式な書類として白色封筒が使われるのがビジネスでは一般的であること、茶封筒だと赤文字・赤枠の「速達」記載が見えにくくなることから白色の封筒をおすすめします。
郵便番号欄がない場合は封筒右上に記載する
封筒に郵便番号欄がない場合は本来、郵便番号欄があるとされるであろう封筒の右上に記載します。
なお「〒」マークのあるなしはどちらでも構いません。自分で書いても書かなくても良いです。
切手は封筒の左上に貼る
切手の位置は封筒の左上のほうに貼りましょう。
切手の貼る場所については郵便局のホームページでも郵便物の左上に貼るという回答が記載されています。
厳密に封筒の上から何センチ、という指定はありませんが、わかりやすい場所に貼りましょう。なお、郵便局のホームページにある記載の通り、横に長い封筒の場合は右上部分に貼ることを推奨されていますが、履歴書を入れる封筒は今回の記事で解説しているように縦長の封筒で縦書きを基本としています。
文字はわかりやすくバランスの良い大きさで書く
文字の大きさは会社名が大きい、宛先の人名の方が大きいというのは特に決まったルールはありません。
均等に揃えておいても構いませんが、今回の例では宛先の人名を少し大きく書いています。人名を少し大きく書いておくと配達時や社内に到達してから誰宛のものかがわかりやすくなります。
表面、裏面ともにわかりやすく、バランス良く見えるように書くということがポイントです。
「様」「御中」を正しく使い分ける
宛先が人名の場合は「様」、会社名・部署名の場合は「御中」と記載します。これはビジネスマナーとしての慣習です。
裏面の差出人住所は封筒の中央か左下
裏面の差出人住所は郵便局のホームページで中央寄せが正式な書き方とされていることから画像では中央寄せとしています。
ただし、実際には左下のほうに書く慣習も一般的であることから、履歴書の入った封筒で中央寄せで自分の住所を書くケースは少ないと言えます。利便性の点から言っても特にどちらが良いということもありませんので、どちらの場所でも問題ないと言えるでしょう。
投函日の記載はあってもなくても良い
裏面の「〇月〇日」の投函日はあってもなくても問題ありません。これは何月何日に投函しましたということを示すためのものではありますが、あまり一般的ではない上、書くことに特に意味がありませんので書かなくても問題ないものです。
本当に日付が重要な場合、書留や配達記録サービスを使用して証明をもらうほうが良いでしょう。
封筒の大きさは「角2」を選ぶ
履歴書を郵送するときには、ビジネス上多用される、A4サイズの用紙(履歴書)を折らずに入れる角2サイズの封筒を使用することをおすすめします。郵便物の分類では「定形外郵便」と呼ばれるものです。白色の封筒は正式なビジネス文書に使用されるという点、赤文字が目立ちやすくなって機能性が良いという点から白色がおすすめです。
また、封筒の中身ですが履歴書を送るとなると、履歴書、職務経歴書、送付状(カバーレター)なども必要ですから、一式を折り目がつかないように送ることが必要になります。
封筒の中身は以下の通りです。これらをまとめて1枚の封筒に入れます。
- 履歴書:1枚
- 職務経歴書:1~2枚程度
- 送付状(A4):1枚
- エントリーシート(企業の指定があれば):1枚
- クリアファイル:1枚
速達に必要な切手料金は最低400円
上で説明した通り、「定型外郵便」で送ることとなります。まず通常の郵送分の切手代が以下のように規定されています。
- 50g以内…120円
- 100g以内…140円
- 150g以内…205円
- 250g以内…250円
これに速達の料金をプラスします。
速達料金は、普通郵便に料金をプラスすることになります。
履歴書などの書類一式は、50g以内もしくは100g以内あたりで済みますから、「120円+280円=400円」もしくは「140円+280円=420円」が速達料金になります。
切手の過不足がないよう郵便局への持ち込みがおすすめ
速達で送りたい封筒は、郵便局に持ち込めば職員の方に重さをはかって正しい金額を計算してもらえます。自分で計算するとミスの可能性もありますが、郵便局で計算してもらえば料金不足のおそれがなくなりますから、郵便局に行くことができる場合は直接持ち込みがおすすめです。
どうしても時間がなく自分で計算する場合は、郵便局の料金計算(日本郵便ホームページ)のサービスを利用し、計算すると良いでしょう。
自分で重さを確認して切手を貼って出す方法では、もし、料金不足だった場合、書類提出どころではないでしょう。郵便局の窓口で正確な速達料金にして出すことをおすすめします。
速達にして郵送するときの注意点
速達で出すのは「確実に1日で届けたい場合」
郵便物を速達で出す意図は、早く届くようにということが本来の目的でしょう。普通郵便で2日かかってしまうなら、確実に1日で届けたい場合などに利用するものです。
受付の締め切りが迫っていて、早く到着しないと困るという場合、特に締め切りまで3日を切ったという状況であれば速達を使って郵送するほうが良いでしょう。ギリギリで間に合うかもしれないという場合でも、万が一、遅れてしまったら困りますから、タイミングに不安があれば、速達にしたほうが安心できます。
十分間に合うのに速達を使っても評価はされない?
「十分間に合うけれども、一刻も早く届いて欲しい」という理由であれば、速達にする必要はありません。一刻も早く履歴書を受け取ってほしい、読んでほしいという意思は感じてもらえるかもしれませんが、先着順で評価されるわけではありません。社会一般の風潮として早い方が評価が高いのであれば、先を争って応募者全員が速達で出すことになってしまいますが、そういったことは現実に起きていません。
逆に、不必要な費用をかけて郵送すると、「合理性がない」「コストの意識が低い」と感じられてしまうリスクもゼロではありません。
速達にこだわるよりも、中身の充実を図ることが書類選考通過のためには重要です。また、採用担当者は履歴書の中身を見ることが重要であり、場合によっては封筒から中身だけが担当者の手元に届くということも考えられますので、誰が速達かということは選考に影響しにくい要素だと言えます。
封筒に宛名や自分の住所を書くときに使うペンについてはこちらの記事で詳しく解説しています。見えにくいペンでトラブルが起こってしまうと非常にもったいないので、最適なペンを使うことをおすすめします。
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