「本人希望記入欄」は、特に希望がなければ『なし』と書いて問題ない?履歴書の「本人希望記入欄」について解説します。
「本人希望記入欄」は「入社条件」を提示する場
「希望」という言葉で誤解される方が多くいらっしゃいますが、履歴書でいう「本人希望」とは、あなたが応募先企業に入社するうえで「企業側にクリアしてもらいたいこと」です。
企業側の求人募集要項には、条件として「募集職種」「給与」「勤務地」「勤務時間」などの条件が提示されていると思います。それと同様に、履歴書の「本人希望記入欄」は、あなたが企業側に提示する「入社条件」と考えてください。
つまり、「希望」だからといって好き勝手に書いていいわけではありません。項目名を「入社条件」と置き換えて、考えてみてください。
・給与は●●万円以上を希望します
・残業は「なし」を希望します
・勤務地は東京本社のみを希望します。
上記のようなあなたの素直な希望が記載された「本人希望記入欄」は、採用担当者からはワガママを並べているだけに見えてしまい、印象が悪くなります。
「本人希望」は、あなたが応募先企業で働くにあたって「どうしても譲れない条件」であり、「本人希望記入欄」は「その条件がかなわないと入社を辞退する」ことを伝える項目だと理解しましょう。
入社条件がないから「特になし」…はNG!?
基本的に、履歴書は全ての項目を埋めることが鉄則です。「学歴」や「職歴」はもちろん、「本人希望記入欄」をはじめとした各項目も、採用担当者にとって人物像を理解するための大事な判断材料です。
空欄のある履歴書はパッと見で淡泊なイメージを与えて、それだけで「本当にうちの会社で働きたいと思っているのか」「使いまわしているんじゃないか」といったマイナスの印象を与えます。
「本人希望記入欄」に関しては個人によって内容やボリュームが異なり、場合によっては入社条件が「ない」という人もいるでしょう。しかし、だからといって「特になし」と記載したり、空欄にしたりするのはNGです。その場合は「貴社の規定に従います」と記載するのが一般的です。
※「貴社」は、公務員の場合は市役所や区役所・役場=「貴所」、都道府県庁=「貴庁」と記載が異なるので注意
「本人希望」は最低限にとどめる!
「本人希望記入欄」には、募集要項にある企業側の提示条件をすべてクリアしたうえで、必要な条件だけ記載するようにしましょう。空欄や「特になし」にすることはNGですが、パンパンに埋めるのもまた、印象が悪くなります。
また、「本人希望」を企業側に提示する前に募集要項を見直しましょう。募集要項には企業側の最低限の条件が記載されています。
例えば、勤務地が「大阪支社」と記載されているのに、「本人希望記入欄」に「東京本社を希望」と書いたら…企業側は条件を受け入れられないだけでなく、「募集要項をきちんと確認していない」とマイナス評価をくだす可能性もあります。
自分からの希望条件を記載する前に大前提として、募集要項の内容の確認してから記入しましょう。
「本人希望」の理由や補足説明を記載する
履歴書によって形式が異なりますが、「本人希望記入欄」が自由記述式(項目ごとで区切られていなく、自由に記述できる大きな枠が設けられているもの)の場合は、理由を明記しましょう。理由は、「簡潔に分かりやすく」「採用担当者が納得できるように」書くことが大切です。
例として、「勤務地」の希望を伝えた以下の2つの文章を比べてみてください。
希望勤務地:東京近郊
母の介護のため、仕事に支障をきたさず出勤、退勤できる東京近郊の勤務地を希望します。
希望勤務地:東京近郊
母の介護があり、仕事と両立するのがやっとです。自宅から遠い勤務地だと出勤、退勤が非常に大変なため、自宅から近くて通勤しやすい東京近郊の勤務地を希望します。
NGの文例は、「自分がいかに大変か」という状況が全面に出ていて、「少しでも楽をしたい」と考えている印象を与えます。書き方ひとつで、必然性や採用担当者の納得感が変わってくるため、工夫してまとめることが重要です。
自由記述式でない履歴書でも、「希望勤務地:東京近郊(母の介護のため)」と、カッコを使って簡単に説明を入れましょう。
「希望職種」「希望連絡日時・方法」は記載
「本人希望」が特になくても、「希望職種」と「希望連絡日時・方法」は記載しておきましょう。特に在職中の転職においては、連絡日時と連絡方法は重要です。採用担当者とスムーズなやり取りができるよう、「本人希望記入欄」を活用しましょう。
「本人希望記入欄」の項目も気を抜かずに、面接につながるクオリティ高い履歴書を作成しましょう。
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