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入社承諾書提出後の内定辞退は法律的に問題あり?注意点は?

入社承諾書提出後の内定辞退は法律的に問題あり?注意点は?

入社承諾書を書いた後に入社を断ると、法律的な問題がでるという話を耳にしたことがある人もいると思います。果たして本当にそこまでの効力があるのでしょうか?

今回は入社承諾書が持つ役割や法的な効力、注意点などについて、詳しくご説明していきます。

入社承諾書は内定辞退防止の目的がある

入社が決まると、多くの企業は入社承諾書、または内定承諾書という書類の提出を求めます。これは「特別な理由がない限りは入社を約束します」という内容のもので、名前と住所を記載し、捺印するだけの簡単な書面です。電話などで内定の通知を受けてから自宅に届き、本書類をお礼状と一緒に返送する方法が一般的です。

採用者が決まったら、企業は新しい社員を迎え入れる準備をします。内定者が決まる前段階でも、選考や面接に時間と労力を費やしています。採用した人に「あ、やっぱり入社しません」と言われてしまえば、企業側の苦労は水の泡になってしまいます。

承諾書を書かせる理由は辞退させないという目的があります。特別な理由がない限り入社を約束する書類という位置づけなので、これを書いた人は「この会社に入社が決まった」と思うことでしょう。

そんな決意に加えて、承諾書にサインをした後には辞退できないような空気を作ることにも辞退防止に一役買っています。

法的な効力はないので提出後の辞退は可能

「この書類にサインしたら絶対に入社しなければいけないの?」という疑問も沸くかもしれませんが、承諾書を提出した後に内定を辞退することは可能です。法的な罰則もありません。そもそも内定とは、企業と内定者の双方が解約する権利を持っているもので、正式な理由があれば企業側もキャンセルする権利を持っています。

一方で、内定者・労働者には職業を選択する自由があります。これは憲法で守られている人権なので、極端な話をしてしまえば、内定後だろうと入社3日目だろうと、就業場所を選ぶ権利が与えられています。

したがって、入社承諾書提出後の内定辞退は法的には問題なく、損害賠償を支払う義務はありません。

罰則がないからといって安易に考えるのは危険

法的な効果はないとしても、企業によっては「入社承諾書を提出した後に辞退した応募者に対して損害賠償を求めた」というケースがあるようです。裁判になれば企業側が勝つ見込みは少ないですが、応募者にとっては大きなプレッシャーになってしまいます。

例えば、応募者が入社までの勉強として、会社の費用を使って研修に行き、その後に内定を辞退したため損害賠償を求められたというケースがあります。

こういった場合でも、確かに法的な拘束力、罰則はないとされています。裁判になって判決が出るまでわかりませんが、こういった状況になると応募者にとって大きなストレス、プレッシャーになることは事実です。

一度承諾した約束を簡単に破るというのは、一般常識から考えても問題のある行為です。辞退する可能性が少しでもあるなら、承諾書へのサインには慎重になることをおすすめします。

上記のケースは「研修費用」という例外的なお金が動いた結果かもしれませんが、お金が動かなくても「承諾書を出した、入社するという約束を破るとはどういうことですか?」とお叱りを受ける可能性は十分にあります。

辞退するかどうか、しっかりと考えた上で決めるようにしましょう。

提出後の辞退は迷惑がかかることは自覚しておく

企業は内定者が決まったら受け入れのための準備を進めます。例えば新しいデスクや専用のパソコンを準備していることは考えられます。このように、準備するものによっては企業の出費が伴います

内定承諾書には、この準備が無駄にならない保険としての効力もあるわけです。

このように、承諾後に断った場合は、会社やその周りの人に、単に入社しないというだけでなく、金銭的にも迷惑が掛かる可能性があることを理解しておきましょう。

辞退する場合は電話をしてから手紙を郵送する

後からトラブルになることを防止するために、やむを得ずに辞退する場合には、電話してから丁寧に辞退する旨のお詫び状を郵送することをおすすめします。とにかく誠意を持って対応することが大切です。

タイミングはできる限り早く。断りの電話が遅くなればなるほど、相手に掛かる迷惑が大きくなってしまうでしょう。

電話をするのは、辞退することを確実に伝えるためです。その後の手紙は、誠意を示す意味で送りましょう。承諾書にサインした後に辞退するわけですから、落ち度があるのはこちら側と考えて、真摯な対応を心掛けましょう。

まずは電話をかけるところから始めることになりますが、かけ方についてはこちらの記事も参考にしてください。

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